下北半島に行ったので、ここにも足を伸ばしてみた。
核燃施設で有名な「六ヶ所村」。
でも、行ったのは原燃PRセンターではなく、
チューリップまつりを開催中の「
花とハーブの里」。
「核燃に頼らない村作りを」を掲げてがんばっている所と聞き、行ってみた。
いろんな種類のチューリップがたくさん植えられていて、
欲しいと思ったお花があれば、その場で掘って売ってくれる。
↓珍しい感じの白とピンクのチューリップを5本選んで買ってきた。
六ヶ所村は、抱いていたイメージと違って、
小鳥がさえずり、田んぼや畑もたくさんある、山と海に囲まれた村だった。
核燃施設さえなければ、自然の恵み豊かな穏やかな村だと思う。
ただ、核燃施設が近づいてくると、急に立派な道路がでてきた。
走る車も誰もいなくて、不必要に広い道路が何とも言えず気持ち悪かった。
大きな煙突が見え、コンクリートの大きな建物がいくつも建っていた。
この穏やかで小さな村には、全く似合わない景観だった。
今、本州の北端にあるこの小さな村に、
核燃料サイクル施設(ウラン濃縮工場、低レベル廃棄物埋設センター、
高レベル廃棄物貯蔵施設、再処理工場の4施設)が建っている。
世界に例のない、核の集積場らしい。
東京のど真ん中にこんな施設ができるとなれば、反対運動が起こるだろうけれど、
六ヶ所村には、そんな力はなかったのだろうと思った。
高齢者の多い過疎化した村。
リスクをかかえながらも、ここを離れられない弱者が暮らす村。
そんな印象を受けて帰ってきた。
安全を強調する国と原燃。
でも、事故はいつ起こるかわからないし、大きな事故が起こらなくても、
日々少しずつ排出されている放射能が本当に人体に影響を及ぼさないかは
何十年先になってみないとわからないのだ。
チューリップ畑も
隣町の菜の花畑も、とってもきれいだった。
もっともっと広げて、世界一のチューリップ畑や菜の花畑にしてほしいくらい。
でも、そのすぐ近くで、微量と言われる放射能は排出されている。
三陸の海にも流れ始めている。
市民団体独自の調査では、原燃の発表以上の放射能量だとも言われている。
ただ、地元の農家や漁師さんたちは、
風評被害を恐れて、独自の調査には非協力的という現実もあるらしい。
六ヶ所村や近隣の市町村で作られた農産物を、三陸でとれた海産物を、
私たちは、どんな気持ちで食べていけばいいのだろうか。
こんなことなら、何も知らない方がいいのかもしれないなぁとさえ思うことがある。
核燃の反対運動を積極的にしている主婦の中に、
「この辺りのものは危険だから子どもには絶対食べさせない」という人がいた。
確かに、危険だという実態を聞けば聞くほどそう言う気持ちになるのだろうが、
本当にそれでいいのか。
それでは、遠くに住んで、被害は地元の人よろしく、と言っているようなもの。
大きな活動はできないけれど、再処理工場の稼働中止を願いつつ、
六ヶ所に暮らしながら活動している人に思いを寄せ、
そこに咲く花に、そこでつくられた農作物や海産物に思いを寄せて、
これからも暮らしていきたいと思っている。