普段はあまり本を読まない。が、病院の待合室に本は必須だ。
私の通う病院は予約制ではないので、待ち時間が長い。
昨日もちょっと出遅れたら、診察まで2時間半
でもちょうど一冊読み切ることができた。
持参したのは「犬と話をつけるには」(多和田悟 著、文藝春秋 出版)。
夫のお薦め本で、盲導犬クイールの訓練士さんが書かれた本。
印象的だったのは、リハビリのゴールは「自立」ではない、という言葉。
「以前の私は、人の手を煩わさないで何でも自分でできることが、視覚障碍者の失ったものだと思っていました。でも(中略)人の手を借りないで、人の祈りに支えられないで、何でも自分でやっている人に、私は会ったことがありません。」
長年、盲導犬を育成し、視覚障碍者のリハビリを支えてきた著者は、
(視覚障碍を持った)自分の存在を自分で認めることができることが、
出来る出来ないではなく、そこにいることが大事だと思えるようになることが、
それがリハビリのゴールなのだと言う。
「見えなくなってわたしがわたしでなくなったと思っている人たちに、見えていたあなた、見えなくなったあなた、どちらもあなた自身が愛すべきあなたなのだと伝え続けていきたいと思います。」と。
読みやすく、お薦め本です。